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Studio Voice [Statement]

定期購読している雑誌・Studio Voiceの2007年8月号が届いた。今号のテーマは「政治を考える!」。

 このタイトルと内容に対してどういう層・どういう人種が反応するのか解らないが、ある意味タイムリーな特集であると思った。デリダが他界したのは2年くらい前か。今年になってボードリヤールが死んだ。先月にはリチャード・ローティも死んだ。ついこの間までネオコンの鼻息が荒かったUSAでは、無責任にも息子ブッシュの支持率がガタオチだそうだ。(かの国の「保守←→リベラル、行ったり来たり」は、システム全体のバランスを取るための方便みたいなものだろう。どっちにしろ大差はない。)新フランス大統領のサルコジは産業再生のためにネオ・リベラル路線を行くらしい。ポストモダンの国・フランスよ、お前もか。「功利主義へのアンチテーゼが実践される国」だと勝手に理想を投影して赴いたオランダも、実はそれ程のことでもない様な(?)。まぁこれはもう少し見てみないと解らないか。そして、日本の現職そーりだいじん。私は無知にも知らなかったのだが、彼は岸信介の孫だそうじゃないか。結局日本の体制は大戦中から大して変わっていないのか・・・・などなどなど。

 大風呂敷広げて戦後世界や冷戦終結後を語る技量は無いが、イッキに極視点へと矮小化して「いちサラリーマン」の立場から見たって、個人を包囲するシステムの趨勢はそのベクトルが世界規模で統一化されて強大化傾向にあるのは明らか。対抗勢力のパワーなどは風前の灯火、Tsunamiに向かって玉砕する手漕ぎ舟。そんなこと、日常生活レベルでだって体感できる。

 こういう情勢に至った経緯を的確に論ずる書物が有れば大変に興味深いと思うのだが、システムからエサをもらって生きている身として言うならば、一つの大きな要因として上げられるのは、80年代に不景気を経験したUSAという巨大装置が自らを回復させるためにその構成要素(=はたらくひとびと)を「再教育」し、「自己管理」「自己実現」等というスローガンを与えることで際限のない競争へと向かわせる、そういう行動様式を国民に内面化させるに成功した事ではないだろうか。自身に鞭打って働かなければ負けてしまう、みながそうやって働けば企業の力が強くなる、強い企業は国際市場で勝利する、旗色の悪い他国(フランス?日本?)の事業体もUSAと同じ律動装置を国民に装填しなければ勝ち残れない・・・。こうやって米国的功利主義が世界中に浸透していく。繰り返し言うが、これは論理ではなく、極視点からの実感だ。

 こういった趨勢に対しては、意識的で戦略的な対抗力が必要なはずだ。ポストモダン、ポストコロニアル、あるいはベネルクスや北欧の福祉国家政策などは、まさにその対抗力として働くはずではなかったのか。

 Studio Voiceの様な雑誌がこのような視点を持つことで多少の安心感は与えられる。が、いかんせんニッチに過ぎるのかもしれない。ニッチであること自体が価値として消費されるこの時代、その内部で論ずるだけではブレーク・スルーはあり得ない?

 結論は無いが(あるわけもないが)、アムステルダムの街角で見かけたグラフィティの写真をアップして、初回はこれにて終了。


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コメント 2

JoeCO2

日本がとる道は米国路線か欧州路線か?どちらに転んでも民衆にとっては楽な道ではないような気がするが。。。?
by JoeCO2 (2007-07-10 07:42) 

Hemlock

そやね、米か欧か・・・。日本では一言で「欧米」って言ってしまうことが多いけど、とても一括りにはできないよなぁ。
by Hemlock (2007-07-10 14:21) 

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