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Concert Memo: Roger Waters "The Wall Live" [Concert 2013]

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2013年9月8日(日) 20:15〜
Amsterdam ArenA


スタジアムでのコンサートに行った回数は少なく、好きでも無い。そもそも巨大スタジアムを埋めるようなミュージシャンにはあまり興味が無い。でもこのショウだけは生で体験したかった。2011年のツアーが組まれた時にも速攻でチケットを購入した。しかし仕事の都合で行くことができず、悔しい思いをした。再度のツアーが決定したというニュースを聞いた時にはとても嬉しかった。あまりに嬉しくて、ついつい勢いで立ち見のアリーナを選んでしまった。俺の体力、大丈夫か。

会場はAjaxのホームグラウンドであるAmsterdam ArenA。相当な交通の混雑が見込まれるようで、チケット購入者には事前にオーガナイザーからその旨のメールが届いた。駐車場や公共交通機関の案内なども書かれていた。どうやら車で行くのは止めた方が良さそうだ。なので自転車で行こうとも思ったが(30分くらいの道のり)、大雨が降りそうなので結局バスを使う事にした。臨時便が出ていてて本数が増えている。

開演の30分ほど前に到着。人の入りはまだ半分くらいだ。アリーナは2つのブロックに仕切られている。ひとつはステージ直前に小さく設けられた、半円形のスペシャル・エリア。残りの広大な区画は単一のゾーンとされている。ステージの右方、半円形ゾーンを仕切る柵の直後に空きスペースを見つけた。視界も良い。ずっと後方で巨人の群れ(オランダ人は背が高い)に埋もれることを覚悟していたので、これは嬉しい。スタジアムの端から端までを繋ぐ巨大なステージには、もちろんあの「壁」が設置されている。

予定より15分ほど遅れて開演。黒いレザーの軍服を着たWatersが登場。音響は意外と良く、楽器の音をきちんと聴き取ることが出来る。サラウンド化されたSE(プロペラ機が後方から掃射してくる、など)もすごい。壁を使ったプロジェクションはこのショウの要だが、1990年のベルリン公演よりも相当に進化している。巨大ホールでよく見る液晶モニタの様に、演奏風景を拡大して映し出すのにも使われる。しかしただそのままに映すのではなく、タッチや色調をリアルタイムで加工し、アニメーションの一部として統合している。このアイデアは秀逸だ。

プロジェクションの内容には、ベルリン・バージョンよりもメッセージ性が増えており、様々な言葉が映し出される。「Fear builds walls.」。そうだ、人と人の間に、あるいは国と国、民族と民族の間に壁を作るのは「恐れ」だ。そして「恐れ」を生むのは「無理解」だ。こんなメッセージを何万人もの観衆が共有できるって、この世界も悪くないな、と思ってしまう。「Another Brick in the Wall Pt.2」の後には新曲が追加された。どうやらロンドン地下鉄テロの犯人と誤認され射殺されたde Menezesに関する内容らしい。


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もともと反戦色の強い内容の「The Wall」だが、今回のバージョンではさらに「反・帝国主義的資本主義」のメッセージも付加された。「Goodbye Blue Sky」で巨大な群れを為して飛ぶB52が投下するのは、メルセデス、ロイヤルダッチシェル、マクドナルドのロゴだ。全長100メートルに近い壁をフルに使ったプロジェクションは大迫力で、かつ、とても生々しいテクスチャを持っている。すこしずつ積み上げられていく「Brick」の材質は、ベルリン版で使われていた発泡スチロール的なものではなく、1980年のオリジナルと同様に紙で出来ているようだ。

壁が完成したところで、30分のインターミッション。

再開後1曲目の「Hey You」は、完全に壁の向こう側で演奏され、観客には壁以外の何も見えない。「Comfortably Numb」、一緒に歌っているとやはり涙が溢れてしまう。でも今日の演奏は残念ながらちょっとイマイチだ。GilmourのVoがベストであるのは当然として、ベルリン版のvan Morrisonもかなり良かった。なので、それに比較すると劣った印象を拭えない。ギターソロを担当するのはDave Kilminster。Snowy White(このツアーにも参加)を交えたツイン・リードは無かった。「パラノイド野郎は居るか?」のアジに導かれて「Run Like Hell」。豚が飛ぶ。

プロジェクション映像は9割方が新規だった。そういえば随所にバンクシーっぽい絵柄が挿入されていたが、公式に参加しているのだろうか?一方で「The Trial」のアニメはほとんどがオリジナルのままだ。Watersがステージを退き、壁が破壊される。ベルリン版の手が込んだ破壊に比べると迫力不足だ(そもそもベルリン版の壁はオリジナルよりもずっと大きかったのだろう。そして今回の壁はオリジナル相当
のサイズ)。ブロックがまとまったまま「べしゃっ」と倒れてしまた。ステージ後方の円形モニタに映し出された風船少女が、これまたバンクシー風だ。

壁破壊の喧噪が収まったところでアコースティック楽器を抱えたバンド・メンバーが登場。オリジナルのセットに更に追加された終曲を演奏しながら、メンバー紹介とフェイドアウト。アンコール無し。

このショウ、30年以上も前のコンテンツを焼き直しただけの懐メロ大会になる危険性もあっただろう。でも実際は充分以上の現役感とリアリティを持ったパフォーマンスとしてアップデートされていた。音楽自体が持つ普遍性もその理由のひとつだろうが、それ以上に、ショウの重要な要素であるプロジェクションに現代化が施されているのが大きいだろう。音楽のみではない統合パフォーマンスの利点ですね。素晴らしかった。



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